慧喜~Trip of the art

鴨居玲  死を見つめる男

笠間(茨城県)にある笠間日動美術館に行ってきました
もう会期は終了してしまいましたが、「鴨居玲  死を見つめる男」 展を鑑賞してきました。

昨年、東京ステーションギャラリーという美術館で、
初めて見た鴨居玲さんの絵は、
まるで死の淵を覗いているかのように暗く、
後々までひきずられるように心に残るものでした
その時のことをブログの記事にさせて頂いたのですが、
記事を作るにあたり、色々と調べていく中、
笠間日動美術館は、東京・銀座にある日動画廊さんが、
母体となっている美術館だということを知りました。
鴨居玲さんは生前、この日動画廊さんと
公私共に長く深いお付き合いがあったのだとか
なので、ぜひ行ってみたいと思っていた美術館だったのです。
ちょうど展覧会が開催されていたのでラッキーでした

前回記事は 鴨居玲展(1)(2)(3)(三部に分けています)

笠間日動美術館入り口
鴨居玲 死を見つめる男パンフ

受付をすませて美術館の敷地内に入ると、まず目に入ったのは、フランス館という展示館。↓↓↓

日本の近代絵画に影響を与えた印象派から
エコール・ド・パリの巨匠たちの名画の常設館です。
中に入ってビックリ。モネ、ドガ、ルノワール、ゴッホ、
セザンヌ、マティス、ピカソ、シャガールなどなど
平日の朝早い時間だったので、館内には私しかおらず、
巨匠たちの名画に囲まれ、もはや息苦しいほど・・・汗。
でも、すごく贅沢な時間を過ごすことができました
レオナール・フジタさんの自画像も展示されていて、
机に向かうフジタさんの手には面相筆が。
その横には硯(すずり)が置かれてあるのを見て、
ちょっと嬉しくなってしまいました
笠間日動美術館入り口2
フランス館の中でひときわ目立っていたアンディ・ウォーホルの「C夫人像」→ → →
(美術館パンフレットの画像からお借りしました。)

妖艶で美しい女性が描かれていますが、この「C夫人」とは、
日動画廊副社長、笠間日動美術館副館長でいらっしゃる
長谷川智恵子氏のことなのだとか
他にも、巨匠の方たちによって制作された「C夫人」の作品が、
館内あちこちに展示されていました。(肖像画や彫刻作品など)
巨匠たちと長谷川智恵子氏との交流の思い出が、
形になって残されているのが凄いですね
アンディ・ウォーホル C夫人
アンディ・ウォーホル≪C夫人像≫1975年

↓↓↓フランス館を出て、上のほうに歩いていくと「野外彫刻庭園」というエリアが広がっていました
ここには、日本の具象彫刻界を代表する作家さんの彫刻作品が展示されていました。
周りは竹林で、風で笹が鳴る音が心地よく、時折、頭上で竹が割れるような音がして、風情たっぷり・・・

ずっと、眼を閉じて佇んでいると、ふと不思議な感覚を受けました。彫刻の像たちからの視線を強く感じるのです。
でも、決して嫌な感じではなく、来館者に対しての興味津々の視線・・・。ここの像たちは生きてるのかな
像の作者の方々はもう亡くなられているのだけど、作家さんの魂が像と一緒にいるのかもしれない・・・なんて思ったり
私には、スピリチュアルなものを感じる力はないのだけど、本当にそんな風に思えてくるような不思議な空間でした。

野外彫刻庭園2野外彫刻庭園4

↓↓↓野外彫刻庭園を抜けて、鴨居玲さんの展示が行われている企画展示館へ。すごく大きな橋を渡るのですが、
渡っていると、いきなり頭上や真横からウグイスの鳴き声が。姿が見えそうなくらいの至近距離からなのが凄いですよね
他にも、これまで聞いたことのないような鳥の鳴き声がして、双眼鏡を持ってくればよかったと思いました・・・

笠間日動美術館 企画展示室へ1笠間日動美術館 企画展示室へ2

↓↓↓橋の周りは、竹林と木に囲まれて鬱蒼としています。ひんやり涼しく、まるでオゾンのシャワーを浴びているかのよう
途中に、オープンテラスのカフェもありました。この時は営業してなくて、入れなかったのが残念・・・!
外のメニュー表を見ると、ドリンクはもちろん、ピザやパスタ、ケーキなど頂けるみたいです

笠間日動美術館 企画展示室へ3カフェ・ド・ローブ

そして、鴨居玲さんの展示室へ。
展示は、デッサン画と油彩画に分かれていました。
朝の時間帯だったので、人もそんなにおらず、
一つ一つの作品をじっくり見てまわることができました!
前回の東京ステーションギャラリーでは展示されてなかった作品が
見られたのもラッキーでした

改めて思ったことは、
鴨居玲さんのデッサンって本当に素晴らしいなということ・・・
玲さんにとって、デッサンは作品ではなく
作品へ昇華させるための日々の鍛錬に過ぎなかった・・・
と思うのだけど、
私は、鴨居玲さんのデッサン画がすごく好きなのです
上手く説明できないのだけど、対象から受ける印象の
一番鮮やかな瞬間をそのまま画面に止めてしまったみたいな?
だから、とても瑞々しい印象を受けるのです

鴨居玲さんは、画家として画壇で認められた後も、
生涯、デッサンの修行を欠かさなかったといいます。
ひじが変形し、腱鞘炎になるほど打ち込まれていたのだそう
踊り候え
≪踊り候え≫1974-75年

鴨居玲さんの展示を見た後は、パレット館に
このパレット館には、著名な画家の方たちが愛用していた
パレットが展示されていて、その数、常時230点!
このコレクションは、笠間日動美術館にしかないのだそう。

展示室に入ると、色鮮やかなパレットが壁にびっしり
(ピカソやダリなどのパレットが展示されてたのもビックリ!)
絵具を盛っているのもあれば、絵を描いてるものもあり、
油壷や軍手をコラージュみたいにくっつけちゃったり
それぞれの作家さんの個性が、ギュッと凝縮されてる感じ。
笠間日動美術館 パレット館

このパレット画コレクションは、長谷川仁氏(日動美術館及び日動画廊創立者)が、
親交を深めた画家の方たちに願い出て、多年に渡り収集されてこられたものなのだそうです

その他、画家本人や遺族などからの寄贈なども続き、
今では世界に例のない一大コレクションとなっています。
収集のきっかけは、長谷川仁氏が、
生前のユトリロが画商に贈ったパレット(絵を描いたもの)を
見たことだったのだそう。
そのパレットには、ユトリロ画の色彩だけでなく、
筆触の癖や作品の秘密などがはからずも表れており、
それを見た長谷川仁氏は、
「画家の手の跡や息づかいがしみ込んだパレットを
集めておけば、それはそのまま日本の近代洋画史の
側面を語る重要参考品となる」
と、考えられたのだとか
ユトリロ パレット
≪ユトリロのパレット≫1933年頃 28×37cm

そして、鴨居玲さんのパレット!→ → →
実物はすごく大きくてビックリしました
もはや、手に持てるサイズじゃなかったです・・・笑
蓄積された油絵具からは、積年の苦悩が偲ばれ、
鴨居玲さんの「生きた証」が鮮やかな形となって
胸に迫ってきました
その他、たくさんのパレット画について、私の勉強不足で、
お名前を知らない作家さんが多かったのだけど汗
それでも、本当に楽しめました!
写実絵画界を代表される森本草介先生や、
諏訪敦(すわあつし)先生のパレット画も展示されていて、
どちらも、涼やかな美女が描かれていたことに感動
鴨居玲 パレット
≪鴨居玲さんのパレット≫1984年 55×89cm


そして、美術館ショップで本を二冊購入
まず、パレット館に展示されているパレット画選集。
そして、「鴨居玲 死を見つめる男」。
生前の鴨居玲さんと深い親交のあった日動画廊さん。
その副社長でいらっしゃる、C夫人こと長谷川智恵子氏が、
玲さんとの思い出話を中心に、書された本です
前回、鴨居玲さんの記事を作らせて頂いた時、
ちょっと疑問に思ったことが何点かあって、
ネットで探しても情報が見つからないでいたのだけど、
この本に、ほぼ書かれてあってスッキリしました笑
更に、長谷川智恵子氏のお写真も何点か掲載されていて、
神がかった美貌にビックリ・・・美しすぎる~
笠間日動美術館 本

そして、鴨居玲さんと生活を共にしていた、カメラマンの富山栄美子さんという女性について。
現在まで残されている鴨居玲さんの写真は、ほとんどが富山栄美子さんよって撮られたものらしいのだけど、
この富山栄美子さんについて、画像はおろか情報とかもほとんどネットに出回ってなくて、ちょっと謎の女性だったのですが・・・
この本で、やっとお会いできました
男っぽくてパサっとした感じの女性をイメージしてたのだけど、写真の富山栄美子さんは意外にも超ファニーフェイス 
そして、意外だったのは、鴨居玲さんが子供好きだったということ。子供たちと戯れている写真とか、とてもキュートです
鴨居玲さんの素顔がギュッとつまっている「鴨居玲 死を見つめる男」、オススメの一冊です!

美術館を出た後は、「春風萬里荘」(しゅん ぷうばんりそう)に向かいました
陶芸や料理など、多方面で才能を発揮した芸術家・北大路 魯山人(きたおおじ ろさんじん)。
そんな魯山人が住んでいた鎌倉の生家を、昭和40年に笠間に移築 し、日動美術館の分館として公開している施設です。
建物内部は、住んでいた当時そのままで遺作の名品が展示されていることから、魯山人の美術館といってもいいかも
それはまた、次回に・・・

長~い記事を読んで頂いて、有難うございます

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コメント

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鍵コメ様

訪問&コメント有難うございます!返信が遅くなってごめんなさいーー;
こちらの方に返信させて頂きますね^^;
美術館、本当に良かったですよ!
何より、自然に恵まれてる環境がいいと思いました^^
それと、JR友部駅から循環バスが出てるみたいです。
(日動美術館、他の美術館や春風萬里荘も止まります)
春風萬里荘もまた素晴らしいですよね・・・!!
近いうちにアップさせて頂きますので、
またご訪問頂ければ嬉しいです^^v

(ฅ'ω'ฅ)♪アリガトウ♪

こんばんは(^^)

笠間美術館って、自然豊かな素晴らしい環境の中にあるんですね!
フランス館の収蔵品も興味深いです~。
それにしても長谷川智恵子さんて、ほんとにお美しいですね。
ちょっと日本人離れしたお顔立ちというか…。
ウォーホルが作品に残したのも頷けます。

画家たちのパレットをコレクションしているというのも
とってもユニーク!
皆さん、パレットにも絵を描いているのが面白いですね~。

続きの記事も楽しみにしてま~す♪(*^^*)

文伽さん♪♪♪

こちらの方に有難うございます^^
文伽さんからコメント頂いてちょっとホッとしましたーー;
(状況が状況なだけに)

<自然豊かな素晴らしい環境の中に
<そうなんですよ!展示作品も凄いけども、
周りの自然が本当に素晴らしかったです!
綺麗に整備されてて、なおかつ自然をフルに生かしたような感じかな?


<長谷川智恵子さんて、ほんとにお美しい
<本当に@@
お写真を拝見すると、確かに外国の女優さんみたい・・・!
前に見た某記事に載ってた話なのだけど、
ウォーホルさん、長谷川智恵子氏の写真を撮った後、
二つの作品を仕上げて送ってこられたのだそうです。
でも、あまりにも高額だったために一つしか購入されなかったのだとか。
(それが記事中のC夫人の作品)
そのことを後で、めちゃくちゃ後悔されたそうですーー;

<画家たちのパレットをコレクション
<珍しいですよね!板だけじゃなくて、
水彩画家の方なんかは、白いプラスティックのパレットに
水彩絵具で絵を描かれてたり@@(何か難しそうですよね汗)

<続きの記事も楽しみに
<有難うございます^^春風萬里荘がまた本当によくて・・・笑
何とかお伝えできるように記事作り頑張ります^^;

ちょうど昨日だったかな?
また一部の地域で震度4くらいの余震があったとか。
文伽さんのとこは大丈夫だったでしょうか?
九州ばかりに自然災害が集中して、本当に皆さん大変だと思う・・・><
梅雨が明けても、今年はかなりの猛暑になるらしいので
お互い、気をつけていきましょうね!

(*'∀'人)♥*+アリガトン♥♥♥

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鍵コメ様

コメント有難うございました!
鍵コメ様のブログの方にお邪魔しますね^^

ϵ( 'Θ' )϶アリガトン

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慧喜

Author:慧喜
広島県出身 関東住みです。
アートに関すること
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