慧喜~Trip of the art

スイスデザイン展

   西新宿・初台にある東京オペラシティ アートギャラリーに行ってきました
   開催されていたのは、「スイスデザイン展」 日本とスイスの国交樹立150年に合わせて開催されたのだとか。

   実用性と機能性に富み、伝統と最新技術を融合させながら手仕事的なぬくもりと美しさを併せ持つ「スイス・ブランド」
   それは、鉄道や航空など「観光」におけるデザイン、時計や靴、家具やファブリック等、多様な領域に及びます。
   その歴史と背景、思想とコンセプト等を、スイスから世界に発信された様々なものを通して、
   スイスのデザイン文化の豊かさを感じていくことのできる展覧会です
   東京オペラシティアートギャラリー1スイスデザイン展1

         スイスデザイン展2
         入り口付近で出迎えてくれた、二つのオブジェ。
         ↑ ↑スチール製の、スイスクロスをモチーフにした
         収納家具?なのかな?
         右が、日本の型紙から発想を得たとされる、
         型紙インスタレーション(空間芸術)なのだとか→ →
         手工業的なルーツを持つ型紙特有の「装飾性」は、
         スイスの建築市場において、新たな建築意匠としての
         価値と可能性を持つと考えられているのだそうです。
スイスデザイン展3

   陽が当たったときに、できる影が本当に美しいのです・・・ このような形で、モノ作りNIPPONの伝統工芸技術が
   評価されるのは、嬉しいことですよね
   スイスデザイン展4スイスデザイン展5

   中に入りますと、まずはル・コルビュジエ(1887-1965 スイス出身の建築家)さんの手掛けられた建築物の写真や
   設計図面、関係資料などが展示されていました。そして、多くの絵画作品も
   ル・コルビュジエさんという方は、20世紀を代表する近代建築の礎を築いた一人でありますけども、
   建築分野だけにとどまらず、家具デザインや芸術作品(絵画、版画、彫刻等)も数多く手掛けられていたのだとか。
           レオナルド・ダ・ヴィンチにも比されるほど、
           多才な方だったみたいですね。
           ル・コルビュジエ・センターは、
           彼の遺作となった建物なのだとか。
           現在では、コルビュジエさんの収蔵作品等を
           展示してある個人美術館となっているそう。
           ル・コルビュジエ・センター
スイスデザイン展パンフ

     マックス・ビル(1908-1994 スイス出身のマルチクリエーター)さんのことも、紹介されていました。
     建築・彫刻・画家・グラフィックデザインなど多分野で活躍したクリエーターの方ですね。
     彼が手掛けたものの中で、代表的な一つのウルムスツール 
     自身が初代学長として活躍したウルム造形大学で、学生が使えるように
     デザインした多目的スツールです。
     椅子としてはもちろん、サイドデスクや踏み台、教科書の持ち運びなど
     幅広い場所で使用されていたのだとか。
     無駄な機能やデザインを削ぎ落とした、必要最小限のデザイン。
     生活に寄り添うデザインを重視したマックス・ビルさんは、
     「日用品は将来、ひとつの文化レベルを測る尺度となるだろう」と語り、
     「グーテ・フォルム」を提唱しました。(芸術と技術の統合)
     機能を充たすと同時に美しい形態である、という理念は、
     現在でもスイスデザインを形づける一つのコンセプトになっています。
マックス・ビル ウルム・スツール

Atelier oI (アトリエ・オイ)
(1991年にスイスで設立された建築デザイン事務所)
が手掛けた、家具なども展示されていました。
創業以来20年以上に渡り、
建築やインテリア、商業デザインにとどまらず、
展示会や舞台美術など、分野を問わず幅広く活動。
世界中のトップ企業や建築家から期待されている、
スイスを代表するデザイン事務所です。
日本との関わりも深く、
建築家の坂茂(ばん しげる)さんとの共同事業や
岐阜県美濃市の和紙メーカーの開発による素材を
使用した、照明器具のデザインが注目を集めました。
アトリエ・オイ スツール
        <スツール>
アトリエ・オイ照明器具
      <照明器具>

       その他にも、スイスで生まれた各メーカーの商品、歴史、企業理念なども併せて、展示されていました。
    USM Modular Furniture(USM モジュラーファニチャー)
       スイスの家具メーカーUSMは、良いものを長く使う、
       スイスのモノ作りを代表するブランドの一つです。
       「形態は、機能に従う」という設計理念を具現化した
       機能的でシンプルな収納家具が有名で、
       空間の大きさや用途に合わせて、
       組み合わせ自由なシステムファニチャー
       「USMハラー」を世界に送り出しています。
       展覧会の入り口に展示されていた、
       スイスクロスをモチーフにした収納家具も
       その一つですね
USMモジュラーファニチャー


     フライターグ ポーチ FREITAG(フライターグ)
1993年、グラフィックデザイン等の世界で活躍していた
マーカスとダニエルのフライターグ兄弟は、
機能性と防水性に優れた丈夫なバッグを作ろうと画策していました。
彼らがインスパイアされたのは、アパートの目の前にあった、
フリーウェイの分岐点を往来する色とりどりのトラック
使いふるされたトラックタープ(幌)、自転車のインナーチューブ、
廃車のシートベルトを使ったメッセンジャーバッグを
彼ら自身のために自ら作り出したのだとか。
(写真は、バッグではなくポーチです)

BALLY(バリー)
1851年、カール・フランツ・バリーが弟とともに「Bally&Co」を設立。
リボンメーカーとして開始しますが、パリに出張した際に見た
パリジェンヌの靴に魅了され、靴の開発をスタートさせました。
現在では、バッグや服飾なども含めたトータルファッション・ブランド
として確立されていますが、素材の品質と、洗練されたデザインは
現在にも受け継がれているようです。
展示されていたのは、歴代のバリーの靴と広告宣伝ポスターです→ →
バリーは、アートを積極的に取り入れたいという、
強い情熱を持っていたらしく、
それが反映された数々のポスターのおしゃれで美しいこと・・・
バリーのアイコンである宣伝ポスターは、
芸術広告という、新しいスタイルの先鞭をつけました
バリー 160周年記念カタログ表紙

        ビクトリノックス オフィサーナイフVICTORINOX(ビクトリノックス)
1884年、創業者カール・エルズナーは、
故郷スイスの小さな村でワークショップを開業しました。
以後、125年以上にわたって伝統を守りつつ、
シンプルかつ、機能的で美しいナイフを開発。
← ← ←「ビクトリノックス マルチツール」は、
現在ではスイス・プロダクトを代表するアイテムの一つで
世界的に有名ですね
ソルジャーナイフ(アーミーナイフ)は、スイス国外の軍隊でも、
兵士が日常携帯する道具として愛用されているのだとか。
         SIGG(シグ)
         SIGGの名を有名にした、飲料用アルミ缶ボトル→ →
         第二次世界大戦後、ヨーロッパ全土で資源不足に陥っていた最中、
         工場等で残っていたアルミを用いて作られたのが、
         誕生のきっかけなのだとか
         現在では、世界中で愛用される製品となり、
         人々のライフスタイルに欠かせないスイスブランドとして成長。
         色とりどりのボトルが、壁一面に展示 されていたのですが、
         その様子は、まるで一つのアート・オブジェみたいで素敵でした
SIGG マグボトル

          スウォッチ WHITE LOOPSWATCH(スウォッチ)
1970年、スイスの時計産業は、アジア製クオーツムーブメントの
出現で、壊滅状態に陥っていました。
この危機的状況を受け、1980年にニコラス・G・ハイエック
(元スウォッチグループ代表取締役会長)
が率いるプロジェクトチームが発足。
合成樹脂のプラスティックをケースに採用し、
51のパーツのみで作られた単純構造のムーブメントを開発しました。
更に、大量生産による、低価格帯の製品を実現。
時計を毎日着替えるという新しいスタイルを提案し、
そのカラフルなデザインは、世界中で開花しました
わずか数年でスイス時計産業の危機を救ったのです。
歴代デザインのスウォッチが、展示されていた様は壮観でした。
見るとやっぱ、欲しくなっちゃいますね

     山岳リゾートを中心、観光大国に発展したスイス。
     国の経済が豊かになると共に、交通の整備も進み、
     スイスと他国を結ぶ交通は、広く世界をつなぐ
     一大交通網として発展しました
     当時、スイスのデザイナーによって作られた
     鉄道や飛行機などの広告ポスターがたくさん
     展示されていたことから、これらの広告ポスターが、
     スイスへの交通手段が、いかに安全で信頼に足りる存在か
     ということを説明する役割を担っていたのが分かります。
スイスデザイン展ポストカード1
     そして、スポーツやホテルなどの観光誘致ポスターも
     数多く展示されていました
     ポスターだけにとどまらず、山小屋風のホテルを建て、
     居心地のいい空間のためにインテリアをデザイン。
     アウトドアスポーツの施設を整え、
     商品をデザインして開発したりなど、
     いかに多くの観光客と登山愛好家を山岳地方に運び、
     「スイス」を体験してもらうか、国家としてその一大事業に
     取り組んできたのだとか
     スイスの自然・観光・交通は、スイスの富を築き上げた
     重要な産業であり、デザインという分野を発展させる上でも
     大切な要素だったようですね
スイスデザイン展ポストカード3

         最後に、会場の端っこにひっそりと展示されてたのですが、
         岩倉具視さんを特命全権大使とした、岩倉使節団によるスイス訪問(1873年)の資料などが、
         興味深かったです (ひっそり展示だったのは、ちょっと悲しかったですが汗)
         訪問した時のスイスの様子を表した、銅版画がとても美しいもので、
         現在も変わらぬ美しさを誇る、スイスの風景が 残されていたことにちょっと感動しました
         この銅版画は、当時の日本の最高レベルの技術を駆使して刷られたものなのだとか。
         明治維新によって新しい時代を切り拓きつつあった当時の日本にとって、
         国づくりをかけた大きな意気込みだったことが感じられました
         「スイスデザイン展」は、3月29日(日)まで開催されています。
         かなり見応えがありますし、インテリアなどがお好きな方にも、是非おススメです

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鍵コメ様☆

有難うございます~!
✲゚。.(✿╹◡╹)ノ☆.。₀:*゚✲゚*:₀。

Switzerland is a fascinating melting pot in the heart of Europe where many different people, languages and religious beliefs co-exist. (www.swissworld.org)

スイスの文化、とりわけ工業製品は、ゲルマンの質実剛健さとイタリア・フランスの優美性を兼ね備えた不思議な魅力をもっていますね。

スイス周辺の職人の歴史を調べていると、時折、「戦争や政治的な理由で隣国から移って来た」という記述を目にします。人々の頻繁な往来が豊かな文化を育んだのでしょう。

ヴィクトリノックス、学生時代に憧れたブランドでした。

Patterson's Houseさん

Patterson's Houseさん☆

コメント、有難うございます!

シンプルな機能美を追求した形ですよね!<スイス製品(≧▽≦)

公用語とかも、フランス語圏やドイツ語圏などに分かれていたりするような感じですかね・・・??<スイス

ヴィクトリノックスの創業者カール・エルズナーさんも、元々はフランスやドイツ等で修行を積まれた職人さんだったみたいです^^

展示されてたヴィクトリノックスの製品はたくさんありましたけど、もう豪華な美術品みたいで、美しかったですよ~~!
(*˘︶˘*).。.:*

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西宮市大谷記念美術館を、ワタクシ訪れてみました。 ミュージアムぐるっとパスを使うと、特別展の時でもここは無料で鑑賞できます。 2014年が日瑞国交樹立150周年ということで、「スイスデザイン展」が全国を巡回しており、ここ西宮が最終開催地です。 ところでスイスって、漢字で書くと「瑞西」です。 知ってました? エントランスには、スチールラック製のスイス国旗が飾られてます...

  • | 2016-04-21 |
  • ミュージアムに行きました。
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慧喜

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広島県出身 関東住みです。
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