慧喜~Trip of the art

ホキ美術館 野田弘志展

千葉市内にあるホキ美術館に行ってきました
ホキ美術館は、世界でも稀な写実絵画専門美術館です。
医療用品などのニッチ・トップメーカー
「株式会社ホギメディカル」の創業者、保木将夫さんが
年月をかけて収集してこられた写実絵画作品を、
公開するために作られた個人美術館だということです。
「昭和の森」という大きな公園に隣接していて、
緑が多く気持ちいい場所に美術館はありました
建物の外観は、個性的でちょっと無機質な印象・・・。でも、
周りは住宅地なのにも関わらず不思議に調和しています。
2011年には、「日本建築大賞」を受賞されたのだそうですよ。
ホキ美術館1

ホキ美術館2ホキ美術館3

開催されていたのは、
「野田弘志展」と、「ホキ美術館名品展2014」です
まず、「野田弘志展」は、日本の写実絵画界を代表する作家、 野田弘志さんの54年に及ぶ画業を、珠玉のお作品によって、
追っていくことのできる企画展です。
野田弘志さんといえば、広島では特に有名な画家の方なので、
お名前だけは存じ上げていました。
しかし、これまでお作品を観たことがなかったので汗、
たまたま絵の教室の先生から、ホキ美術館のことを聞き、
スッ飛んで行って参りました
右のパンフレットの女性、写真・・・に見えますが、
実は野田さんのお描きになられた絵画なのです
ちなみにこの女性は、ピアニストの岩崎淑(しゅく)さん → →
下画像は、左画像がホキ美術館創設者の保木将夫さん。
右画像が、 詩人の谷川俊太郎さん。
これらは、野田弘志さんが、現在手掛けられている
≪崇高なるもの≫シリーズの新作なのだとか
人間をテーマに縦2m横1.5mのキャンバスに(大きいです!)
等身大以上の人間が、空間ごと立っている姿が
描かれてるのですが、ものすごい存在感があります
”全精神をかけたリアリズム”という言葉通り、
限界まで人間に迫り、限界まで描かれてるのだと思いました。
技術的なことも凄いのですが、それよりももっと肉薄して、
力強い生の集積みたいなものを感じ、圧倒されました
野田弘志展パンフ
≪「崇高なるもの」OP.4≫2014年

人間とは何か。2人として同じ人間はいない。生まれて生きて、やがて死んでいく。
「こんな不思議な神秘なものはないですね。人間の存在くらいすごいものはない。
それを描くべきです。存在の深さを描くべきです」。
野田弘志が描く、血が通い、考え、生きている人物像。
(美術館HPの記事から抜粋)
野田弘志さん「崇高なるもの」OP2
≪「崇高なるもの」OP.2≫2012年
野田弘志さん「崇高なるもの」OP3
≪「崇高なるもの」OP.3≫2012年

「芸術で一番大切なのは精神、人間の魂だと思うのです。その結晶が芸術だと思いますし、
「死すべき人間、では何をすべきか」ということだと思うのです。人間として生まれて宿命を背負って
いやおうなしに死ななければいけないのですから、それを真剣に考えたところで、その上に出てくるものがリアリズムだと思う。
つまり哲学があってリアリズムがある。
スペインのロペスという同い年のリアリズムの絵描きが「哲学がない絵はリアリズムでない」と言っている。
リアリズムの一番の巨匠はレオナルド・ダ・ヴィンチですが、ダヴィンチもまた「絵画とは哲学的なことがらである」と言っている。
存在の本質の第一原理まで行き着くことのできる世界だと。そういったものを追求するのがリアリズムで、残された時間を、
全精神をつくして知り、視て、考えて、描きたい。それを実行するのみです」。
(美術館HPの記事から抜粋)


哲学がなければ芸術ではない。
全精神をつくして知ること。全精神をつくして見ること。全精神をつくして考えること。
全精神をつくして描くことを実行していきたい。
人は美しい。生まれて、生きて、消える。かけがえのない大事な時間、そのことこそが美です。
それを描きたい。純粋に本当に見つめることをする。邪魔なものは一切捨てる。余分なものはいらない。
単純化です。「単純は偉大なり」。それこそが「存在を描く」ということ。
(美術館HPの記事から抜粋)
そして、≪崇高なるもの≫と同時に手掛けられているのが、
生と死をテーマにした≪聖なるもの≫シリーズ
右画像は、2m×2mのキャンバスに(これも大きいです!)
庭の片隅でみつけた鳥の巣と卵を描いた作品。 → →
野田弘志さんは、現在、北海道南部の壮瞥(そうべつ)町に
お住まいで、 洞爺湖を見下ろせる緑豊かな森の片隅に、
アトリエを構えておられるのだとか
そして、新たにスタートさせた「存在の美学」の展覧会を、
隔年で行われているのだそうです。
写実絵画を「鑑賞絵画」から、「芸術」へと転換させてきた、
その大きな原動力となられた野田弘志さんは、今年で78歳。
更に、写実の可能性を切り開いていかんとされる姿勢、
一生涯かけて、自分の信念を追求し続けていくこと、
その姿勢こそが”芸術”というものなのかもしれない・・・と
私は思いました・・・
聖なるもの THEーlV
≪聖なるもの THE-IV≫2013年

そして、展示の中に、礒江毅(いそえつよし)さん(1954~2007)の作品3点を見つけた時は、胸が震えるくらい嬉しかった
礒江毅さんとは、スペイン・リアリズム絵画の鬼才とも呼ばれている方です。
19歳の時に単身で渡ったスペインの土地で、約30年に渡って写実絵画を探求し続けられ、
1989年には、35歳で「14人のリアリズムの巨匠」にも選出されるほど
スペインと日本を中心に国際的に高い評価を受けた画家の方なのです
以前、TV番組で初めて礒江毅さんの絵を見た時、
圧倒的な細密描写(だけでなく、それ以上に感じる何か)に、本当に感動したのでした
礒江毅さんは、広島にも縁のある方で、
広島市立大学芸術学部という、現在では写実絵画を教授する拠点となっている学校があるのですが、
1995年に、野田弘志さんが芸術学部の教授と
して迎えられ、2005年に退官された後、
同年に礒江毅さんが教授に就任され、
教鞭をとられていたのだとか。
今ちょうど、広島県立美術館
「礒江毅展 -広島への遺言ー」という展覧会が
開かれているのですが、時間の都合などで
行けれないのが非常に悔しいところです
でも、ホキ美術館で貴重な3点の作品が
観れてよかった・・・
横たわる男
≪横たわる男≫2001-2002年


≪ESPANTAPAJAROS≫1997年
地の音
≪地の音≫2000年

今回行ったホキ美術館の記事はまだまだ続きます・・・
ちょっと画像も多くて記事も長くなってしまいそうなので、一旦、半分ほどの内容をアップします。
次回、「ホキ美術館名品展2014」と、常設展(これがまた素晴らしい・・・!)についての記事をアップしたいと思います
なお、「野田弘志展」と、「ホキ美術館名品展2014」は、5月の17日までの開催となっています。
日数が少ないですけども汗、ご興味のある方はぜひ行かれてみてください
館内には、本格的なイタリア料理とワインを堪能できるイタリアンレストランや、軽食を楽しめるカフェもあります
あと、ホキ美術館バスツアーというのもあるようですね(出発は東京駅近辺)
美術館専属解説員さんによるミュージアムトークと、イタリアンのランチが組み込まれており、
一人からでも参加できるようなので、こういうツアーを利用されてみるのもいいかもしれません
(詳細は、美術館HPで・・・→ホキ美術館HP


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コメント

こんばんは

一見、写真かと思うようなリアリティですね。
ましてや、等身大で描かれているとなるとその迫力もありそうですね。

リアリズムを限界まで追求すると、髪の毛一本までこだわっていく。これは、アートというよりも、何かに挑戦しているような感覚がありますよね。おそらく、そこに凡人にはわからない作者の哲学がありそうですね。

あと、勝手にブログリンクさせていただきました。ご迷惑なら、教えてください。

うぉぉ!!

これは、凄い(*^^*)!!

人それ自体の質感まで感じられるような絵ですね❤

写実的な絵は見ることが大好物なので(笑)、
とても素敵な記事を拝見出来ました。

ブログにUPしてくださり、ありがとうございます!!

行って来たの?

ホキ美術館・・・・
行ってみたいと思ってるのよ!!
磯江さんの絵もあったの?
うおおおおお!(T_T)
4、5年前だったか・・・・
練馬で個展やってたから観に行ったよ。
それまで知らずで・・・・
会場で説明読んで、(随分上の)高校の
先輩だという事が分かって
なんだかとっても親近感でした。
練馬の親戚にも、ぜひ観に行った方が
良いですよ!と強く押した記憶があります。(笑)

やっぱり、リアルって良いなぁって思います。
  • 2015-05-08 |
  • マルボーズ隊員(タカダカズヤ) #.Oqi5Drk
  • URL
  • 編集 ]
  • ▲PageTop

凄い絵ですね。僕も絵を描きますが、このように綺麗には描けません。
鳥の絵とか、色々と感じるものがあります。でも何を感じたか、言葉では表現できません。

Easy Music Reviewsさん☆

Easy Music Reviewsさん☆

コメント有難うございます!

限界まで対象を視ていくと、
目には見えないものが視えてくるのかも・・・!<リアリズム

<何かに挑戦しているような感覚
本当にそうですよね><
自分の限界にまで挑戦という感じでしょうか・・・
対象を描きながらも、自分の生を刻み込んでるかのような
そういう印象を受けました^^v

リンク、有難うございます!!
迷惑だなんてとんでもないですよ~♪すごく嬉しいです。
私も、是非リンクさせてください^^
これからも宜しくお願いします!

゚・✿ヾ╲(。◕‿◕。)╱✿・゚:

真知子さん☆

真知子さん☆

コメント有難うございます!

喜んで頂けて嬉しいです!<記事
行った甲斐ありました~><

質感は勿論、対象の存在感や
空間ごと描かれてあるような感じで、
写真みたいに描くことがリアリズムではないんだな、と
感じました!
写真と同じ感覚で観賞してると、観る方も行き詰るな・・・と
いった感想です。

真知子さんみたいに、写実絵画が好きというのは
凄くいいことだと思う!
次回記事、もっと喜んで頂けるように頑張りま~す!

☆:*・゚(●´∀`●):*・゚☆

マル坊カズヤさん☆

マル坊カズヤさん☆

コメント有難うございます!

ホキ美術館、本当に良かったですよ~><
礒江さんの絵、初めて目の前で観れて感激でした!
是非、行かれてみてください!

企画展で展示されてるのか、常設で展示なのか
ちょっと私も分からないんですけど<礒江さん
でも、17日までに行けば、必ず観れます笑。

ネットで礒江さんのことを検索してると出てました♪<練馬の個展
同じ出身なんですか??<学校
(そういえば、カズヤさんも関西)
う、羨ましい・・・><

礒江さんの作品、心に残る・・・
というよりかは、食い込んできますよね!

,。・:*:・゜(o✪‿✪o)。・:*:・゜’  

匿名希望さん?☆

匿名希望さん?☆

コメント有難うございます!

凄い絵ですよね!
このように描くことさえ難しいのに、
一つの作品のサイズがとても大きいので
もはや、神業のようにも感じました!

絵を描かれるのですね^^
私も、ここまではとてもとても・・・泣
積み上げられてきたものが違うのだと思いました。
技術や経験は勿論のこと、それ以上の何か・・・だと。

<何を感じたか、言葉では表現できません
<分かります、私も言葉にはできません><
でも、感じるものはありますよね!

。:.゚ヽ(❀ฺ´∀`❀ฺ)ノ゚.:。 ゜

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絵に魂が

慧喜さま、こんにちは。GWは、ゆっくり過ごされましたか!!
野田弘志さんの写実絵画見られましたか・・・
私は広島県立美術館で礒江毅展を見ました・・・感動です。
スーパーリアリズム、絵に魂が宿っているような、そんな錯覚さえ覚え、
ここまで来ると、もはや絵では無いように思えます。
描き写す絵画では無くて、ものの内にある本質を表現するのだとか?
画家の表現力ってすごいですね!!

鍵コメ様☆

鍵コメ様☆

有難うございます!
お疲れ様でございます~^^

v(*´∀`*)v

mnsuisaiさん☆

mnsuisaiさん☆

コメント有難うございます!
GWは、美術館ばかり行ってました~^^;
記事作りが追いつかなくて笑

野田弘志さんの絵画は、
野田先生の生命の強さそのもの、だと感じましたよ!

礒江毅展、やはりご覧になられてたのですね><
いいないいないいなぁ・・・・(。>ω<)

<絵に魂が宿っているような
<そんな感じですよね・・・!
特に礒江さんの絵は、ずっと礒江さんの魂と共にあり、
なんだなと思いました!

:*:・(´。✪ω✪。`):*:・

慧喜さん
おはようございます。
ホキ美術館に行ってきたのですね。
自分も3年前に東京に行くついでにホキ美術館に行ってきました。
写実絵画でどれも感動した思い出があります。
ちょうど館内を説明していた人にくっついて回ったら
すごく時間がかかったけど作者の思いが良く分かった
気がしました。
続きをたのしみにしています。

Y画伯さん☆

Y画伯さん☆

コメント有難うございます!

ホキ美術館、行かれたことがあるのですね♪

<すごく時間がかかったけど
<お察しします・・・笑
コレクションの数が何しろ多いので、
ガイドの方の説明付きだと、
かなりの時間を要するかと思います^^;

でも、写実絵画って、
得てして「写真みたいですごい!」的な
感想だけで終わってしまう部分もなきにしもあらず・・・
だと思うので、説明付きの方が絶対に面白いですよね。
私も次回行くときは、ガイドさんの説明付きの日を狙って
行ってみたいと思ってますよ♪

次回記事、今夜あたりアップできるかな・・・?
頑張りま~す!またのぞきに来てくださいね^^

\\ ╭(๑•̀ㅂ•́)و ////

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慧喜

Author:慧喜
広島県出身 関東住みです。
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