慧喜~Trip of the art

ホキ美術館 ホキ美術館名品展2014

前回に引き続き、ホキ美術館第二弾めの記事です
今回は、「ホキ美術館名品展2014」と常設展についての
内容となります。
・・・が、前回、ご紹介させて頂いた野田弘志さんの
風景画もまた素晴らしかったので、冒頭からアップさせて頂きました。
≪崇高なるもの≫シリーズの人物画が凄かったですが、
風景画も凄いですよね・・・ → → →
紅葉した鮮やかな山肌、その下を流れる清流が
本当に深くて美しいと思いました
音さえも聞こえないような 静寂な景色。
クッキリして絵葉書みたいに見えるのが、逆にリアルです。
大きな生命に包まれてるような感じを受けますね

ホキ美術館では、開館以来、野田弘志さんを初めとする、
現役作家の写実絵画を収集、展示されているのだとか。
画家同志が常に切磋琢磨し合うことで、コレクションの内容も
厳選されたものになっていっているそうです。
写実絵画界を代表する方々が、こぞって作品を発信し続ける上に、
ホキ美術館のための描きおろし作品等も展示されている訳ですから、
それが観賞できるホキ美術館て、とても贅沢なところですよね
梓川
野田弘志 ≪天谿・梓川≫ 2002年


そして、「ホキ美術館名品展2014」から。
(たくさん素晴らしい作品が展示されていて、全ての作品画像をアップさせて頂きたかったのですが、あまりに量が多くて笑)
その中から、私が特に魅了されてしまった絵をご紹介させて頂きます
まずは、大畑稔浩(おおはた としひろ)さんの作品です。凪いだ海や港の風景が穏やかで、でもどこか物哀しさも感じます
郷愁にかられて、見てると泣きたくなりました 「陸に上がった船」の絵は、砂の部分に本物の砂を使われていました!
瀬戸内海風景 川尻港
大畑稔浩≪瀬戸内海風景-川尻港≫2003年
陸に上がった船
大畑稔浩 ≪陸に上がった船≫2010年
有明海
大畑稔浩 ≪有明海≫2009年


生島 浩(いくしま ひろし)さんの作品「5:55」は、美術館の売店にあるポストカードの中で、一番人気があるのだとか
初めに観た時に、美しいモデルさんの微妙な表情と、振り子時計が5時55分を指していることから、
イラっとしながら、旦那さんか恋人の帰りを待ってるのかな~と思ったのですが、真相は違いました笑
生島浩さんが、この女性に何度も頼み込んでモデルになってもらったところ、彼女が提示してきた条件というのが、
「夕方6時まで」ということだったそう。了解した生島さんは、時間制約のある中で必死で描かれたのだそうです!
彼女も本職のモデルさんではないため、画家の注文に応じることが大変だったらしく、
6時前になると、その苦労から解放される安堵から、気がゆるみ力の抜けた表情を垣間見せていたのだとか。
その時の自然な表情を描かれたことから、タイトルを「5:55」と名づけられたのだそうです
その後、この女性は、生島さんからモデルのお願いを申し出されても、二度と引き受けることはなかったのだとか
そういう裏話を聞いて絵を観てみると、画家とモデルさんの関係というか温度差が何となく伝わってくるというか汗。
モデルさんの周りに置かれたクラシックなモチーフと、現代的な表情の彼女が妙にミスマッチングというか・・・
アンバランスなところに、温度差のズレを感じて、ジワジワと面白いと思ってしまいました笑
5、55
生島 浩 ≪5:55≫ 2010年
まどろみ醒める午後
大矢 英雄 ≪まどろみ醒める午後≫ 2010年
飛行計画 南風の囁き
五味 文彦 ≪飛行計画ー南風の囁き≫ 2013年


そして、原 雅幸さんの風景画が、とても美しかったです原さんは、スコットランドのエディンバラにお住まいだそうで、
英国の風景を、写真と見紛うほどの細密描写でお描きになられている作家さんです。
「クリストファーロビンの聲」(←多分、「こえ」と読むのだと思う)という、深い森の中に迷い込んだような絵が素敵です
クリストファーロビンは、くまのプ―さんに登場する少年なのだそうで、くまのプーさんに登場する「魔法の森」の世界を
描かれているのではないか、ということです。でも、確かに魔法をかけられているかのように神秘的ですよね

                クリストファーロビンの聲
原 雅幸 ≪クリストファーロビンの聲≫ 2008年
 


              ナローカナルのボート乗り場
原 雅幸 ≪ナローカナルのボート乗り場≫ 2007年
 


              木造船の港
原 雅幸 ≪木造船の港≫ 1993年
 


そして、常設展示の森本草介さんの美しい絵画の数々・・・ ホキ美術館創業者の保木将夫さんが、
写実絵画をコレクションするきっかけともなった作品が、森本草介さんの「横に なるポーズ」(1998年)なのだとか。
保木将夫さんは、初めて森本作品を観た時に強い感銘を受けられたのだそうです
当時、そんな森本作品の中に欲しかった作品があったらしいのですが、別の人が購入してしまったため、
製作途中だった「横になるポーズ」を購入されたのだとか。いわば、ホキ美術館コレクション第一号の作品ということですね。
この作品をきっかけに、森本作品を中心とした写実絵画の収集を始められることになったのだそうです

セピアトーンの女性が、女神のように神々しいですね まるで蜂蜜で描かれたような・・・(例えが何なんですが汗)
体は柔らかく女性ぽいのに、髪を上げた時のあどけないうなじが若さを感じさせます。
その他にも、静脈が透けるような薄い皮膚、細い二の腕、髪の毛の柔らかさ、すべらかな踵・・・
ところどころに若い女性の瑞々しさを感じました

ピアノやクラシック音楽がお好きな森本さんは、「美しい旋律が、画面全体に流れるように願い、描いています。」と仰っており、
セピアトーンの画面には、美しいピアノの旋律が流れているが如く、気品があり音楽的な雰囲気も感じます

              横になるポーズ
森本草介 ≪横になるポーズ≫ 1998年

                      
森本草介 ≪NUDE≫ 2012年

そして、森本草介さんはフランスの田舎の風景がとてもお好きだそうで、たびたび渡仏されては、
画家シスレーの故郷などを訪ね、風景を描き残されているのだとか

森本さんが子供の頃、故郷岩手で幼い弟や妹と共に、自然の中で遊んだ記憶・・・
「よく目をこらして見ると、森はただ黒いだけではありません。緑や黄色や青や赤など実に色彩豊かなんです」

そんな幼い頃からの感性が森本作品の根底にあり、ヨーロッパの風景画にも様々な色が配合されて描かれています。
写実絵画ではあるけども、森本草介さんの絵画は全体がセピアトーン(懐古の色)であることから
美しいもの、いつかは消え去っていくものを「思い出」としてセピアトーンの中に留められているかのような、そんな気もします

              ロットの川面
森本草介 ≪ロットの川面≫ 2001年

「 『生きる喜び』 『生きていてよかった』 と思える絵を描きたいと常に思っています」
と仰る言葉の先には、生への賛歌や穏やかで安らかな平和を願う想いが込められているそうですよ・・・

              牡丹
森本草介 ≪牡丹≫ 1997年

ホキ美術館では、巨匠から若手まで約50作家350点の写実絵画を所蔵しておられるのだとか。
森本草介さんの作品は33点ほど所蔵されており、これだけの森本作品を一度に観れる場所は他にないそうです。
保木将夫さんの森本作品への強い思い入れを感じますね・・・

しかし、ホキ美術館は、単にコレクションを公開するための美術館なのではなく、
ベテランの作家さんには、観賞用ではなく描きたいものを描いて、実力を思う存分発信できる場所であり、
若手の作家さんを育成していく取り組み、作品を発表できる機会を提供するなど、
作家の方々とコミュニケーションをとりながら、共に伸びていかんとされている行動的な姿勢が感じられて、
そこが素晴らしいところだと思います

ホキ美術館に展示されている作品は、「物の存在感を描きだす写実絵画」を念頭におかれているのだとか。
写実といっても、作家によって様々な解釈があり、
「主観や情感を全て捨てて、対象の本質のみを描いていく」ものであったり、
「対象を再現、模倣することではなく、その対象のずっと奥にあるものと出合うこと」であったりと、
ひとくくりにはできない世界のようです。作家により技法も考え方も違い、そうした多彩な写実作品を見比べることができるのも
ホキ美術館の魅力かもしれませんね

私は、今後も何度も足を運んでみようと思います 今回は、時間がなくてイタリアンレストランはもとより、
ミュージアムカフェにも立ち寄れず、ちょっと残念でした カフェでは、「千葉の小皿」という、千葉県産落花生の盛り合わせ3種が楽しめるプチメニューなども置いてあるそうで、次回はぜひワインと一緒に頂いてみようと思います 


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コメント

慧喜さん
こんばんは
そうそう生島浩さんの絵の裏話、ありましたよね。
話を聞く前と聞いた後では全然絵の感じ方が変わりましたものね。なにかモデルさんの人間らしさが垣間見えた感じがしておかしかったです。
それから、原雅幸さんのクリストファーロビンの聲
一番印象の残った絵です。すごい絵ですよね。
いまにも森の小道に吸い込まれそうで感動しました。
北海道にもこういう景色がないか探しているのですけど見当たりません。

Y画伯 さん☆

Y画伯さん☆

コメント有難うございます!

裏話、面白いですよね^^;
私も以前に絵のモデルやったことあるんですが苦痛でした><
モデルさんの気持ちも分かります笑

<モデルさんの人間らしさが垣間見えた感じ
<分かります!親近感、感じますよね♪
何か、絵の方からグッと寄り添ってきてくれるというか。
他の作品とかも、こういうエピソードとかあれば
色々と聞かせて欲しいな~とかって思います^^

<原雅幸さんのクリストファーロビンの聲
<素晴らしい絵ですよね・・・!
他の鑑賞者さんたちもビックリしてました^^;
英国の風景というのも、また魅力なのかも・・・
北海道は、また別の素晴らしさがありますよ~♪
北海道にしかない風景というのが、絶対あると思う~^^v

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鍵コメ様☆

鍵コメ様☆

コメント有難うございました!

:*:・(*´ω`pq゛

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鍵コメ様☆

鍵コメ様☆

心配して頂いて、有難うございます!

。・゚・(*´︶`*)・゚・。

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慧喜

Author:慧喜
広島県出身 関東住みです。
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