慧喜~Trip of the art

Rafael Rodríguez “Eremites” 隠者(ラファエル・ロドリゲス油彩画展)

吉祥寺にある「ギャラリーフェイストゥフェイス」さんに
お邪魔しました
フェイストゥフェイスさんは、初めて寄らせて頂いた
ギャラリーです。(また例によって唐突にフラっと)
吉祥寺駅からそんなに遠くない閑静な住宅街にありました。
周囲に溶け込みながらも、シックで洗練された外観。
開催されていたのは
「Rafael Rodríguez “Eremites” 隠者」
スペインの画家 ラファエル・ロドリゲスさんの油彩画展!
お邪魔した日が、ちょうど個展最終日だったので、
ラファエルさんご本人が、在廊されていました!
ギャラリーフェイストゥフェイス

中に入りますと、独特な印象の絵画が展示されていました・・・

ラファエル・ロドリゲス油彩画展 隠者1ラファエル・ロドリゲス油彩画展 隠者2

ギャラリー内に、ラファエルさんとフェイストゥフェイスのオーナー山本清氏がいらしたので、
山本氏に通訳をしてもらい、色々と質問させて頂きました。(山本氏の英語が流暢で、聞いていて耳に心地よかったです!)
ラファエル・ロドリゲスさんは、スペインのセビリア出身、28歳の方なのだそう
そして、何と今回が初来日の上に、日本での初個展なのだとか

Portrait of unknown man
≪Portrait of unknown man≫2014年
Study for two heads
≪Study for two heads≫2013年


展示されていた絵画は、全て油彩画。人物画ではあるけれど、目鼻立ちなど描かれていません。
油絵具で力強く塗り重ねられた痕跡からは、深い精神性のようなものを感じました
ラファエルさんの年齢などを初めに聞かなかったら、老成円熟した画家の描いた絵だと思っていたかもしれません

After the Labyrinth II
≪After the Labyrinth II≫2015年
After the Labyrinth III
≪After the Labyrinth III≫2015年


Small Saint
≪Small Saint≫2015年
未完成 タイトルなし


下画像のWoman’s head(After Murillo)シリーズは、ラファエルさんの説明によると、
スペインのバロック期の画家バルトロメ・エステバン・ベレス・ムリョーリョ
(自身の生まれ故郷であるセビリアの政治的、文化的に重要な画家であり、有名な偶像とされている)
に対する個人的葛藤から生まれたシリーズです。
ムリョーリョの有名な油彩である「Inmaculada」シリーズのなめらかな表面は、私にそれを破壊するよう駆り立て、
それがこのWoman’s head(After Murillo)シリーズの始まりであり、
私の内面世界の異なる見方の研究や私の文化的背景と影響を表しています。


(ムリョーリョの「Inmaculada」について詳しい記事はコチラ →→→ 明日ソロモンさんの「映画とドラマと語学」)

Woman’s head XIX
≪Woman’s head XIX≫2015年
Woman’s head VIII
≪Woman’s head VIII≫2013年


↑↓ラファエルさんは、ムリョーリョを初めとしたバロック絵画全体の芸術形式といったものに影響を受けているのだそう。
しかし、影響を受けているのはムリョーリョだけではなく、レンブラントやジャコメッティといった様々な芸術家の作品や、
また彼の好きな映画などからもインスパイアされているのだとか
そういったものプラス、ラファエルさんの中に流れている歴史や文化的背景、宗教的価値観といったものが
彼の作品の中に全て取り込まれているのだそうですよ

Woman’s head XVII
≪Woman’s head XVII≫2015年
Woman’s head VII
≪"Woman’s head VII≫2013年


この「Eremites」シリーズもとても印象的です

「Eremites」という言葉(英語ではhermit)、日本語だと「隠者」という意味で今回の個展タイトルにも使われています。
隠者とは、俗世間を離れ山にこもって神に仕える者(特にキリスト教における)ということで、ラファエルさんの説明によれば
Eremites(隠者)とは、真実に到達するために普通の生活を犠牲にし、孤独に暮らす人生を選ぶ、という
とても強い信仰の形です。それは暗く過激な信仰の見地であり、この過酷な境遇の中で変化と過程を通して
身体の形はとてもピュアな形に変化します。
私は、作品を通して、製作の過程(絵の具やドローイングの層、時間、身体の運動)を見せたいと思っています。
それはイメージを代弁する一部分であり、それは作品にも一層の広がりを与えています。


Eremite IV
≪Eremite IV≫2015年
Eremite III
≪Eremite III≫2013-2015年


ラファエルさんの説明の中の、隠者とは彼自身のことなのではないか・・・と思ったりしました
ラファエルさんの中に流れている歴史や文化的背景、宗教的価値観。
そういったものを背負い、現代社会の中で葛藤しながら、隠者のように隠された真実を求め見出していく、
修験道のごとく、行動し体験する中で、いわば悟りを開いていくといったような。
その手立てが、彼にとっては「描く」ということなのではないだろうか・・・と。(思いっきり個人的見解です汗)
“ピュアに変化する身体の形”というのは、そのまま彼の精神性の形といってもいいような気もしました

ラファエルさんの作品は一見暗くて退廃的な印象も受けますが、
何か、透明で崇高なものさえ感じるのはそういったところに理由があるのかもしれないです
画面に示された結果が、ラファエルさんの実力を表しており、素晴らしい表現力だと思いました


↓↓↓オーナーの山本氏が好きな作品に挙げておられた「Eremite II」
二人の人物が抱き合っているように見えます。いわば、人間の営みにおいてのワンシーンですが、
この絵からどういう感情が汲み取れるか、固く結びついた愛情かもしれないし、別離の抱擁かもしれない・・・
観る人の境涯や生活環境、想像力でもって、色んな広がりをもたらすことができます。

ラファエル・ロドリゲス油彩画展 隠者 Eremite2
≪Eremite II≫2014-2015年
ラファエル・ロドリゲス油彩画展 隠者Eremite1
≪Eremite I≫2014-2015年


ラファエルさんのお話を聞いて非常に興味深かったのは、
木枠に張られていないキャンバス布そのものに絵を描いて、後で木枠に貼り付けるのだとか。
それは、「木枠に制限されたくない」という、彼独特のスタイルによるところであるのだそう

そして、ラファエルさんの人物画には、具体的な目鼻立ちが描かれていません。
だからこそ、その表現には制限がなく、誰の肖像にもなりうる匿名性を持っているのだといえます


↓↓↓そして、帰り際にギャラリーで売られていた「アーティストブック」という本を買っちゃいました
ラファエルさんと、彼の友達とで描かれたドローイング(線描画)がたくさん載っている本です。

ラファエルさんの絵もあれば、その友達の絵もあるし、二人で共同で描いたものもあるそうなので、
どれが誰の絵なのか判別が難しいところなのですが、下画像の絵はラファエルさんのものであるようです
ラファエルさんの好きな芸術家(スペインの詩人のガルシア・ロルカ、画家レンブラントなど)へのオマージュとして
作られた本なのだとか  しっかりとサインもして頂きました~

アーティストブック1
アーティストブック3
アーティストブック2


そして、ラファエル・ロドリゲスさんご本人です ご本人に了解を頂いたので、最後に彼の経歴をご紹介させて頂きます

Rafael Rodríguez(ラファエル・ロドリゲス)
1987年 スペイン、セビリア生まれ
2011年 セビリア美術大学油絵学部卒業
2015年 アントワープ王立芸術アカデミー大学院
       版画コース終了(ベルギー)
現在はアントワープ在住。油絵、ドローイング、版画を製作。
ヨーロッパを中心に、日本、中国、アメリカなどで発表。
≪主な受賞歴≫
・グアンラン国際版画ビエンナーレ受賞(2013)
・アントワープ王立芸術アカデミー終了製作版画賞(2014)
(ラファエルさんに教えて頂いた、彼のサイト→コチラ
ラファエル・ロドリゲスさん


この日、ギャラリーにはひっきりなしにお客様が来廊されて、とてもお忙しかったと思うんですけど、
丁寧に対応して頂き、有り難かったです  私自身もいい経験になりました(もっと英語を勉強しなくては・・・汗)
ラファエル・ロドリゲスさん、フェイストゥフェイスのオーナー山本清さん、本当に有難うございました


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コメント

若くして自分を確立

慧喜さま、こんにちは。
色んな所へ足を運び勉強されていることに感心感動です!!

今回のラファエルも若くして、ここまで自分を確立されているかと思うと、
凄い事ですね。
顔を描くと現世の俗な世界の人間固有が見えてしまう。描かないことで、
見る人の今によって、いか様にも感じ取れるものかもしれませんね?

日本での初個展初来日の本人に会えて話が聞けたことは、
慧喜さんにとっても良かったですね!!イケメンだったし(笑)

こんばんは^^

なんというか、ロドリゲスさんの絵って、鴨居玲さんよりは静かな感じなんだけれど、なんとなく雰囲気が似てるなぁと思ったのは、私だけでしょうか?(;´∀`)

mnsuisaiさん☆

mnsuisaiさん☆

コメント有難うございます!

<色んな所へ足を運び
<たまたま近くに来たということもありました^^;
本当はもっとギャラリー巡りしたいんですけど、
時間とタイミングなどがバチっと合わないと
なかなか難しく・・・:;

<若くして、自分を確立
<ですよね!すごいと思います><
若い方ですが、とても幅広く勉強されているとかで、
吸収したものが作品に表れてると思いました♪

<描かないことで、いか様にも
<そうですね!
観る人の心に制限をかけないということが
ラファエルさんの求めてることなのだと思います^^v

≪Eremite II≫(←抱き合ってる絵)は、
私には、恋愛というよりは、
「ガチッと結ばれた絆」みたいなものをイメージしました。
恋愛についてあやふやで脆いイメージがあるので、
その要素を無意識に入れたくなかったのかな?--;
観る人の心によって、いかようにも変わりますよね笑

<日本での初個展初来日の本人に会えて
<本当に!すごく貴重な経験でした><
スペインの芸術家の方と、
なかなかお会いできることもないですしね^^;
サインも頂けて嬉しかったです!

<イケメンだったし(笑)
<そうですね!
背も高くて、お優しそうな方でした。
日本で活動されたら、すごく人気が出るだろうなと思います^^;

(*✪‿✪pღ✿ღ゚+.【☆アリガトン☆】.+゚ღ✿ღq✪‿✪*)

真知子さん☆

真知子さん☆

コメント有難うございます!

<鴨居玲さん、なんとなく雰囲気が似てる
<真知子さん鋭い@@
実は、私も全く同じこと思いながら観てました笑
オーナーの方にも、そう伝えようとしたんですけど、
言いそびれてしまってーー;

確かに鴨居玲さんの画よりも、
ラファエルさんの方は静寂な印象を受けますね!
でも、何か似てる・・・・

考えてみれば、鴨居玲さんも外国を転々とされ、
スペイン・バロック絵画に影響を受けられた方だし、
ラファエルさんもそうだということですから
さもありなんという感じですね^^;

ラファエルさんが影響を受けたと云われる人の中に、
ジャコメッティという芸術家の名前もあがっていました。
鴨居玲さんも、デッサン画ではジャコメッティのが一番好きだったとか。
何か、やはり同じ流れを汲んでるのでしょうね^^v

というか、ちょっと思ったんですけど、
鴨居玲さんの作品を観たあとで、
ブログ記事を作るために、色々と調べることによって
自分が知らなかったことをたくさん吸収できたと思うんです。
(特にスペイン・バロックについて)

調べることで私の中の固かった土壌が耕されて、
柔らかくなっている状態で、ラファエルさんの作品を観たので、
だから深く吸収できたのかも・・・とかって思いました笑笑
鴨居玲さんを通して、知識を得てなかったら見方が変わってたかもーー;


偶然とはいえ、このスペインつながり?の出来事、
私にとっては有り難いことです^^;

。::゚。:.゚。+。(❀◕∇◕)爻(◕∇◕❀)+。アリガトォ::゚。:.゚。+。

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慧喜

Author:慧喜
広島県出身 関東住みです。
アートに関すること
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