慧喜~Trip of the art

永沢まこと都市画展

吉祥寺にある武蔵野市市立吉祥寺美術館に行ってきました。
開催されていたのは
「永沢まこと都市画展 ~街の今を描く、ヒトを描く~」です。
永沢さんのトークショーが行われる日に出向いたのですが、
美術館に着いたのが午後だったため、
トークショーの受付はすでに締め切られてました。
アート系のブログをたまに徘徊するんですけど、
「永沢まことさんに影響を受けて」とか
「永沢まことさんの絵に魅かれて」
絵を始めた方のブログに出合うことがよくあります
リンクさせて頂いている「線スケッチの魅力」さんもそう。
なので、以前から興味を持っていました
吉祥寺美術館1

永沢まことさんのプロフィール】
1936年東京生まれ。
アニメーター、イラストレーターとして活躍されていましたが、
1978年、40代前半に渡米。ニューヨーク・ソーホーに8年間在住。
(ニューヨーク時代の頃についてのインタビュー記事がコチラ
この間に、線描きと水彩による独自のスケッチスタイルを確立。
東京の街で今生きている人の動作や表情を一瞬で捉え、
次々と線を描きだしていく永沢まことさん
1980年代のニューヨークから現在の東京まで、
40年に渡って都市と人物を描き続けておられます
永沢まこと都市画展パンフ1

1978年に渡米され、
ニューヨークで生活された1980年代、
当時、「走るジェイル(監獄)」とも呼ばれていた
地下鉄をモデルの宝庫として好んだ永沢さんは、
人物を素早くスケッチするために、ペンを使用。
そして、多様な人種があふれる街だからこそ、
磨かれたのが人間観察力であったのだとか
タイムズ・スクエアやグランドセントラル駅などで
ニューヨーカーたちを、心の赴くままにスケッチ。
この地で、永沢まことさん特有の
スケッチスタイルが誕生しました
展示作品には、他にも五番街、ハーレム、
チャイナタウンに佇む多様な人物画スケッチが
展示されていました。
多人種、多文化がひしめいてるような絵からは、
当時の街の空気や雑多な中から生まれるパワーみたいなものを感じました
タイムズ・スクエア’80


そして1986年に帰国された永沢さんは、黒髪の日本人ばかりがいざかう、大都会でありながら緊張感のない東京の街に
違和感を覚えられたのだとか。そんなバブル期を迎えた東京でモデルとしてスケッチしたのは、
サラリーマンや主婦、学生など、いわゆる “普通” の人々でした
しかし、その現物リポートのようなスケッチを通して、人間観察を続けた末に気付いたことは、
渋谷、新宿、秋葉原など、行き交う人々の姿によって表現される街の個性があるということでした

そんな街を”絵の題材”として、類いまれな人間観察力とおびただしいスケッチの変遷を経てたどりついたのが、
個展のタイトルにもなっている “都市画”  
東京の街を、建造物と共に描かれているのは行き交う人々の姿。
永沢さんは、必ずその場所で観察しながらお描きになるのだそうで、人物の動きまでしっかりと捉えられています。
永沢さんの描かれた街からは、場所の空気や喧騒、流れるように移動する人々の動きなどが息づくように伝わってきます

              新宿歌舞伎町2011
≪新宿歌舞伎町 2011≫
             


            渋谷道玄坂下交差点 2011
≪渋谷道玄坂下交差点≫
            

↓↓↓この≪新宿歌舞伎町2014≫という作品、画像では分かりづらいんですけど、作品の左下にちっちゃく
Where do we come from! Who are We? Where are we going?」と英語のメッセージ?が。
「私達はどこから来たの?私達は誰なの?私達はどこへ行くの?」という意味になると思うんですけど、
都会に生きてる人々が抱えてる内面的なテーマのように思え、絵の雰囲気とも合っているためちょっと感傷深い気持ちに・・・

            新宿歌舞伎町2014
≪新宿歌舞伎町≫
            

館内には、永沢さんが実際に使われているペンや絵具なども
展示されていました
そして、おびただしい数のスケッチやクロッキーが描かれたノート類。
(クロッキー帳は、初公開だということです。
練習帳だとは思えないくらいの密な描き込みにビックリ)

あと、文庫本の形になっているスケッチブックも。
街の雑踏の中で、目立つことなく落ち着いて描けると
永沢さんが好んで使われるのだそうです
(私も、前に日記用に買ったことあるんですけど、続かず
捨てちゃったような覚えが汗。確かに絵の練習用にいいかも・・・)

この文庫本スケッチブックを「描きまくりノート」と称して、
一ヶ月に一冊約300ページが埋まる程描かれてるのだそう
永沢さんにとって、”描きまくる”ことこそが
本番に備えてのトレーニングになり、
一方では、名画の模写や写真を見ながら、
人物を写実的にデッサンするなどの
室内でのトレーニングも欠かさないのだそうです
渋谷道玄坂Ⅰ 2011
≪渋谷道玄坂Ⅰ≫

↓↓↓そして、永沢まことさんにとって、吉祥寺という街は地元であり、特別な街なのだそうで、
たくさんの吉祥寺スケッチが展示されていました 他にも、メンチカツを買い求めに行列に並ぶ人々の絵もあり、
地元ご出身ならではの愛着たっぷりの目線を感じました(しばらくの間、メンチカツ食べたい病にとりつかれました笑)

ハーモニカ横丁入り口
≪ハーモニカ横丁入口≫
いせや本店
≪いせや本店≫

↓↓↓そして凄かったのが、2012年から3年の歳月をかけて描かれた「吉祥寺駅前I~Ⅳ」 
ブログ画像では伝わりにくいかもですが、実際の展示は下の4点をつなげたもので、180度のパノラマが展開されてました

右画像の「富士そば」さんの上にある看板は、AKB48の柏木ゆきりんの広告です。(永沢さんの絵に登場してるのが羨ましい笑)
古いものと新しいものが混在して、雑多な魅力に溢れている吉祥寺の雰囲気が伝わってきます

吉祥寺駅前 2012-14 -1吉祥寺駅前 2012-14 -2

スケッチスタイルとは異なり、ドキュメンタリーフィルムを絵画化したような記念碑的作品だということで、
確かにスケッチというには、あまりにもスケールが大きいと思います
今ある形を刻み付けていく、それは絵であっても、絵の中で人が生きていて時間が流れていってるように思えるのが不思議です。

吉祥寺駅前 2012-14 -3吉祥寺駅前 2012-14 -4

↓↓↓この日は、トークショーが終わったあと、美術館のロビーで永沢まことさんのサイン会が行われました

画像が分かりづらいのですけど、
テーブル席の右に座られてる方が永沢さんです。
サイン会には、ズラッと長い行列ができており、
永沢さんの人気の高さが伺えました。
吉祥寺美術館のロゴマークをデザインされたのも
永沢さんなのだそう
吉祥寺美術館ロゴマーク
永沢まことさん


今回、永沢さんの絵を観て思ったことは、色々な人が生きて存在して世界は成り立ってるんだなってこと。(当たり前かもだけど)
特に、ニューヨーク時代の絵が個人的には好きだなと思いました
人種のるつぼというか、文化も人種も違う人たちが、それぞれの個性を主張しながらも、溶け合うように生活しているという・・・
ちょっと特殊な感じ方かもしれないけれど、永沢さんの絵を観ながら、
人は一人一人違っていて当たり前で、色々な人がいる雑多な世界だからこそ面白いということを感じました

改めて多様性は絶対的なパワーを生むのだと。多様性であってこそ、人が生きる本当の意味があるのだと。
オンリーワンであることが受け入れられる社会になっていくといいなと切に切に思いました
(永沢さんの絵の趣旨とは外れた見方、感じ方かもしれないんですけど、自分の気持ちをそのまま表しました汗)

「永沢まこと都市画展 ~街の今を描く、ヒトを描く~」は、8月30日(日)までの開催となっています(26日(水)は休館日)
入館料は、一般百円なのがまた嬉しいですねっ


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コメント

こんばんは^^

永沢まことさん、初めて拝見しました♪

『多様性は絶対的なパワーを生む』っていう言葉は永沢さんの絵の趣旨から、決して外れた見方ではないと私は思いますよー('ω')ノ

人種のるつぼであるニューヨークで多様性の強力なエネルギーに魅せられて、絵を描いていたってことですよね、リンク先の記事を見ていると^^

真知子さん☆

真知子さん☆

コメント有難うございます!

<永沢まことさん、初めて拝見しました
<私も実はよく知らなかったのですーー;
ブログを初めてから、永沢まことさんのことと、
ファンの方が多いということを知って^^;

<決して外れた見方ではない
<そう言って頂けて嬉しいです><
何か、自分の見方がズレてるかな~と
思ってたので・・・

<ニューヨークで多様性の強力なエネルギーに魅せられて
<そうなんですよね!
永沢まことさんにとって、ニューヨーク生活って
本当に大きなものだったのかもしれないですね^^v

リンク先の記事は、私も興味深く読みましたし、
読んでて楽しくなるような内容でした!

永沢さんの絵って、街をスケッチしてるかのように
思ってたんですけど、実際は街の表情であったり、
街を作ってる人々であったり、色んな世界に焦点を当てて、
活気ある姿を絵に描かれてるんだなと思いましたよっ♪

゚・✿ヾ╲(。◕‿◕。)╱✿・゚:✲:アリガトン♬♫♬

多様性の中のオンリーワン

慧喜さま、こんにちは。
今日は素晴らしい線画の「永沢まこと都市画展」ですね!!

いつも細かな描き込みに感心しペン画って修正は出来るのかな~
これって下描きするの~といった単純な見方でしたが・・・
慧喜さんの、この記事を読んで、
単に町の風景画では無くて、そこに生きる人間模様、行き交う人々
一人一人の生活のワンショット(=多様性)を表現されているんですね!!

すぐに成果品を求める私のような者から見ると「描きまくりノート」など
凄い情報量で、普段のトレーニングとは驚きです。

今日の記事は、自分も世界70億人の一人(オンリーワン!!)なんだと
改めて感じさせてくれました!!

mnsuisaiさん☆

mnsuisaiさん☆

コメント有難うございます!

<一人一人の生活のワンショット(=多様性)
<私も本当にそう思いました^^v
永沢さんの絵の中の人たちは、
およそ普通に生活してる普通の人々なのですが、
一人一人が生き生きと描かれてました♪

<ペン画って修正は出来るのかな~
<私も同じこと思いました^^;
でも、おそらく修正されることって
あまりないんじゃないかな??という印象です。
とにかく、目で見たものを
素早くキャッチされて、動きを描かれてると思うんです。
やはり、日々の”観察”と”描きまくり”で
培われたテクニックがあってこそだと思いました!

<描きまくりノート
このノートに描かれたスケッチはものすごい量でした@@
スケッチといっても簡単に描かれたものじゃなく、
すごく細かく描き込んであって、
色をつけたらそのまま本番の作品になるんじゃないかという^^;
自主トレという言葉も、私はすごく気にいってしまいました♪

<世界70億人の一人(オンリーワン!!)
<本当に!
キレイごとのように聞こえるかもしれないけれど、
生きてる限り、人は一人一人主役だと思います。
誰かに属した自分ではなく、
個人が輝かなくては。というのが私の正直な思いです!

(✿◕ ‿◕ฺ)ノ))。₀: *゚✲ฺアリガトン✲゚ฺ*:₀

当日、トークショー出られなかったのは残念でした。
日本人が海外からの文化を取り入れるときに宿命的に、二つの様式のはざまでい行きつ戻りつ常に悩みながら生きることになる。
1)奈良平安以降は漢、唐様と和様とのハザマ
2)足利以降は水墨山水における中国山水画と日本山水画とのハザマ
3)明治以降の洋式、和式生活(絵の場合洋画と日本画)
そして、自分(長沢)の人生も、アニメーター(漫画家、イラストレータの線描)と絵描き(描きたい絵としての線)として生き方のハザマで悩んできたという日本人ならば避けられない生き方の問題にせまる話がありました。
次回機会があれば、ご参加いただければと思います。

えいいちさん☆

えいいちさん☆

コメント有難うございます!

<トークショー残念
<永沢まことさんのファンの方が
それだけ多かったということですね^^;
次回、チャンスがありましたらその時はぜひ♪

二つの様式のはざまで~のお話は
とても面白いですね!
確かに洋画と日本画とか、
画材の違いはあるにしても境界線が曖昧な感じ・・・。
色々なもの融合していったからこその今があると
思うんですけど、明治に西洋文化が入ってきた時は
美術の世界も同様に、大きく揺れた転換期だったのかなと
思います^^;

永沢まことさんは、元アニメーターをされていたとか。
描くものを指定される(画や色など)であるとか、
決められたものを描くといった作業に
とても葛藤されるものがあったのかな?と思いました。
その葛藤が、日本を飛び出す原動力になったのかなと。

と、ここまで書いといて・・・
永沢さんの過去のトークショーの記事を発見しました嬉
えいいちさんの方がお詳しいと思うんですけど、
一応貼らせていただきま~す^^;

http://www.makoart.com/Information/talkshow.html

自分の観察を線で描き続けてみるという訓練で
自分を縛っている「現実をコピーする」という概念を、
宿便として自分の中から出し切っていく、という内容に
感心してしまいました^^;
一年くらい描き続けただけでは、便秘してたものが出た程度だと笑
例えが分かりやすくて面白いです!

☆:*・゚(●´∀`●)アリガトン:*・゚☆

味があっていい絵ですね。
見飽きない。
  • 2015-08-27 |
  • マウントエレファント #TO/PCoV.
  • URL
  • 編集 ]
  • ▲PageTop

アルパカさん☆

アルパカさん☆

コメント有難うございます!

<味があっていい絵
<そうですね!
味がありますよね!
描きたいと思うものをずっと
描いてこられたと思うんです。
それは、本当に凄いことだと思います><

私がそうなんですけど、
子供の頃は絵を描くことが好きでも、
大人になるにつれて、忙しさもあって
描かなくなってしまう人って多いと思うんです。
永沢さんの絵を見てると、
子供の頃に、純粋に描くことが好きで
目をキラキラさせながら描いてた自分を
思い出すことができました^^v

ヾ(o´∀`o)ノアリガトン♪♪♪

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慧喜

Author:慧喜
広島県出身 関東住みです。
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